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昭和天皇の生涯を記録「昭和天皇実録」に記述される謎の遊び「クロックノール」とは何か

昭和天皇実録

昭和天皇実録(毎日新聞)


宮内庁は9日、昭和天皇の87年間の生涯を記録した「昭和天皇実録」を公開しましたが、その中で正体不明の謎の遊びとして紹介された「クロックノール」という遊びについて話題を呼んでいるそうです。四半世紀をかけて作り上げた宮内庁も「分からない」といいます。学習院初等科入学前後には少なくとも4回登場し、宮内庁は「当時大変熱心にされていた遊びだった」と説明しています。いったいどのような遊びだったのでしょうか。




「クロッケー」ではという説

クロッケー(The Croquet Association of Japan)

クロッケー(The Croquet Association of Japan)

クロックノールについて、学習院大学資料館の長佐古美奈子学芸員は、ゲートボールの原形とされる「クロッケー」の可能性があると推測しています。

クロッケーとはイギリス発祥の球技で、マレットと呼ばれる木槌で木製またはプラスチック製の球を打ち、6個のフープ(門)を通していき、最後に中央に立つペグ(杭)に当てる早さを競う競技です。

日本には明治維新後にアメリカから紹介されたといいます。当時は「循環球」「クローケ」「クロケー」などと呼ばれていたようです。第二次世界大戦後、このクロッケーのルールや用具を参考にして独自にアレンジしたものがゲートボールとして、北海道で誕生したそうです。

「クロキノール」説が登場

謎の遊び「クロックノール」とは?

戦前の日本で使われていたクロキノール(毎日新聞)

毎日新聞の報道をきっかけに、インターネットなどではカナダ発祥のボードゲームの「クロキノール」ではないかという説が急浮上しています。

クロキノールは直径60センチくらいの木製の円盤や六角形のゲーム盤を使って遊ぶゲームです。ルールはカーリングに似ており、盤の中心に相手より多くのコマを残すように競う合うゲーム。日本では戦前にブームになったことがあるという。

明治36年に出版された「クロック術」という書籍では、原名「クロック、ノール、テーブル」という室内遊戯だとして、競技の方法などについて紹介されています。

どうやらこちらの説が正しいようですね。クロキノールは、1999年以降、毎年6月にカナダ・オンタリオ州で世界選手権が開催されているようです。また2005年からは中国でも大きな大会が開催されているそうです。これを機会に、日本でもクロキノール・ブームが到来するかも知れませんね。