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「男脳」「女脳」は脳の構造的には存在しないらしい

脳の性差

「男脳」や「女脳」など、男女間での脳の違いがよく言われています。たとえば女性は言語能力が高いとか、男性は空間認識が得意とか・・・。ところが英国の研究者によると「脳の性差」は実際には存在しないのだという。




研究グループは、6000件を超える脳のsMRI(構造的核磁気共鳴画像法)検査の結果を分析しました。

「海馬」は短期または長期の記憶に関連した脳の部位で、感情を感覚と結びつけることにも関与しています。これまでは女性のほうが海馬が大きいと考えられており、そのため女性のほうが感情表現が豊かであるとか、言葉を記憶する能力が高いと説明されてきました。ところが、実際には「海馬の大きさは男女で変わらない」ということが明らかになりました。

「脳梁」は、左右の大脳をつなぐ太い束になった脳の部位です。左右の大脳皮質の間で情報をやり取りする経路となっており、これまでは女性のほうが大きいとされてきました。これについても、女性の方が言語能力が高いことと関連させる説がありました。しかし実際には、「脳梁の大きさは男女で変わらない」ということがわかりました。

このほかにも、「言語処理の方法に性差がない」ことが明らかになっています。

男性より女性のほうが「言語能力が高い」という認識は日本人だけではないようですが、どうやら脳の構造的には性差はないようです。それでもやはり、語学が得意だったり、同時に複数の話題について会話ができるする女性の特徴は、気のせいではないと思うのですが。

(via WIRED