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人間には「耳を動かす」筋肉が残されている

耳

人間のからだには、進化の過程で失われた器官の痕跡がいくつか残っています。そういった「痕跡器官」として、耳の後ろ側に退化した筋肉があるそうです。たしかに、耳を動かすことができる人がたまにいるようですね。




犬や猫などの動物たちは、気になる音が聞こえたときに音の鳴る方向に耳を動かします。実は人間は3000万年以上前、耳の大きさが小さくなる進化を遂げた際に関連する筋肉組織が変化して外に張り出した部分「耳介」を動かす能力を失ったのだそうです。

視線を動かしたときに耳介の後ろ側の筋肉がわずかに動くことは、1908年に発見されました。筋肉の動きを調べたところ、目が動くときのほか、音が聞こえたときもその方向に反射神経で筋肉が動くという。

ただ、動きが弱いため実際には耳介が動くまでには至らないのだという。その後の実験でも、大きな音などがすると筋肉に微弱な電流が流れることが確認されています。

弱くなったとはいえ、いまだに筋肉や神経回路は残されているようですから、訓練次第では誰でも思い通りに動かすことも可能かも知れませんね。 

(via Karapaia image by TheGiantVermin