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なぜ他人に触れられると「かゆい」のか

かゆさの仕組み

他人に皮膚を軽く触れられると「むずむず」したかゆさを感じるのに、自分で同じように触っても何も感じません。いったいどうしてでしょうか。皮膚への接触でかゆみを引き起こすときと起こさないときがある理由が最近の研究で明らかになりました。

「かゆい」という感覚は通常、皮膚に軽い接触があったときに起こります。かゆみを感じたとき、私たちは「掻く」ことでかゆみを取り去ろうとします。

激しく掻きすぎると皮膚を痛めてしまう行動ですが、当然ながら、この行動にもやるべき理由があります。昆虫や寄生虫などが皮膚に触れた際に取り除くという、皮膚を外敵から守る役割があるわけです。

しかし、すべての皮膚への接触に対して「かゆみ」を感じてしまうと、生きていく上で障害が生じます。たとえば着ている洋服は常に皮膚に接触していますし、髪の毛は体を動かす度に首もとに触れています。これらの刺激にいちいち「かゆみ」を感じていたら大変なことになります。

しかし実際には、同じように皮膚に接触する刺激があったとしても「かゆみ」として感じる場合と感じない場合があります。どうしてなのでしょうか。

かゆみの選別の研究

今回の研究では、この「かゆみの選別」がどのように行われているかについて明らかにしました。結論から言うと、脊髄に特別な「抑制性細胞」があり、皮膚から来る「かゆみ」の感覚が脳に送られるを、許可したり阻害したりしているのだという。

研究グループが、この特別な細胞に欠陥をもつマウスを作製したところ、マウスは皮膚への接触に対して異常な掻破行動を示したという。

人間でも「慢性掻痒」という慢性的にかゆみに過敏な症状ががりますが、今回の研究と関連がある可能性も否定できません。

しかしながら、「かゆみ」を引き起こすのは皮膚に対する刺激だけではありません。例えば他の人がからだを掻いているのを見ると自分もかゆみを感じたりします。

また痛みについても、四肢を切断した患者が体験する「幻肢痛」というものもあります。「感覚」というものは、まだまだわからないことの多い仕組みです。

(via Gizmodo image by Sandy Schultz