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欲しい科学論文をツイッター経由で違法に入手する「秘密の言葉」

ハッシュタグ PDFもらえますか?

研究者が密かに科学論文を入手するための「秘密の言葉」があるそうです。ツイッターにハッシュタグを付けて投稿すると「欲しい論文のPDF」が送られてくるというが・・・いったいどういうことなのでしょうか?




システムを立ち上げたのは、認知科学の分野の科学者で、そして科学ジャーナリストでもあるアンドレア・クシェウスキさん。

「必要としている論文のリンクに、このハッシュタグと自分のメールアドレスを付けてツイートします。待っていると、誰かが返信するでしょう。それは、例えば、所属する大学が専門誌を購読しているので、論文にアクセスできる科学者たちからかも知れません」

「PDFもらえますか?」を意味するハッシュタグ「#IcanhazPDF」を付けてツイートすると、論文のファイルがメールで送られ、元のツイートは削除されるという。

科学論文の著作権については出版社に譲渡されるため、たとえ論文の著者であっても勝手に他人にメール送信する行為は、著作権侵害にあたる可能性が高いでしょう。

しかし、論文交換のシステムを立ち上げたクシェウスキさんは自分が正しいと確信しているという。

「著作権の侵害の場合は、あなたは誰からも何も盗みません。多くの科学者は、こうした論文にアクセスしなければ、研究ができません。その理由は、購読に費用がかかりすぎるからなのです」

研究を進めるためには関係する多くの論文を必要とします。しかし、専門誌の購読料は決して安くはないため、すべての専門雑誌を大学や研究機関で購読することは不可能です。特に経済的に貧しい発展途上国の研究者たちが最新の情報を入手して研究を進めていくためには、このようなシステムが不可欠だという意見があるのも事実です。

(via WIRED image by thethreesisters