近年、次第に認知されるようになってきた「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」ですが、米国で気になるデータが報告されています。2003年から11年の間に子供のADHDの罹患率が4割以上増えているという。
ADHDは、多動性や不注意、衝動性を特徴とする主に幼少期に多い障害です。ジョージ・ワシントン大学の研究グループが「Journal of Clinical Psychiatry」誌で発表した研究結果によると、米国では現在、およそ8人に1人の子供または若者がADHDだという。
そして2003年から11年にかけての8年間で、5~17歳児の子供でADHDを患っている割合が8.4%から12%に増加しているという。
ADHDの子供が急増している原因について、同大のショーン・クリアリー准教授は「わからない」としています。
最も可能性のある理由としては、ADHDに対する認知度の向上が挙げられますが、実際にADHDに患者数が増加している可能性も否定できません。
ADHDの罹患率はこれまで、男児のほうが女児よりも高いとされてきましたが、今回の調査結果によると女児のADHD診断例が急増しているという傾向もわかったそうです。
男児と比べると、もともと女児は物静かで注意欠陥の症状を見落としやすいためとも考えられますが、実際のところは不明です。
以前よりも診断率が向上しているためかも知れませんが、実際に患者数が増えているならば、今後は原因を究明していく必要があります。
(via WIRED image by Thomas Frost Jensen)