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肥満を減らすためにメキシコがとった対策は「ジュース税」の導入、その結果はいかに

ジュース税

肥満や糖尿病対策は、今や世界中の国々で共通する健康上の課題となっています。国民の食生活を改善するために各国が知恵をしぼっているなか、メキシコでは効果絶大となる「強硬手段」に打って出ました。なんと砂糖入りの飲料すべてに「10%のジュース税」を導入したという。




ジュース税導入の経済効果

メキシコが肥満・糖尿病対策としてジュース税を始めたのは2014年1月。対象となったのは砂糖が入った飲料すべてで、販売価格は一気に10%の値上げとなりました。

税金導入による影響はその直後から次第に大きくなり、12月には前年の同月比で12%も消費額が減少しました。年平均では6%減です。また、その影響はとくに低所得者層で大きく、12月は前年比17%減、年平均で9%減となりました。

課税対象となった砂糖入り飲料の販売は落ち込みましたが、その一方でペットボトル入りの水の売り上げは逆に4%増となったそうです。

やはり、「背に腹はかえられない」ということでしょうか。

メキシコがジュース税を導入する理由

世界的にも肥満が問題となっていますが、メキシコでは成人の約7割が過体重または肥満だそうです。これは経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国中トップで、さらに2型糖尿病の罹患率もトップとのこと。

昨年のある調査によると、メキシコ人は1人当たり年間で111リットルも砂糖入り飲料を飲んでおり、世界最大の消費国だったという。

そこでメキシコ当局は、ジュース1リットルあたり1ペソ(約6円)の「ジュース税」を導入することにしたわけです。

税導入への反応は?

肥満の原因とみられる砂糖入り飲料の消費量を減らすための対策は、完全に勝利を納めたわけですが、米国飲料協会(ABA)は「単一製品が肥満を引き起こすわけではない」と猛反発しているという。

米国でも、カリフォルニア州バークリー市が同様のジュース税を昨年1月に導入しましたが、フィラデルフィアやサンフランシスコなどでは業界からの反発とロビー活動によって頓挫したという。

そんな米国の状況とは関係なく、メキシコではすでに税率を20%に上げる検討に入ったという。

今後は、世界中に同様の動きが拡大する可能性もあります。そうなると飲料メーカーは、課税対象とならない人工甘味料を使った飲料へと変更していくことも考えられます。

しかし、人工甘味料によって逆に糖尿病のリスクが上がるという報告もあり、その原因として腸内細菌のバランスが崩れるという話もあります。まだはっきりとは分かっていませんが、極端な変化は何が起こるかわからないというのも事実です。

(via 産経新聞

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