なんと、サルがコウモリを補食しているところを初めて確認したと、フロリダ・アトランティック大学の研究者が発表しています。何が問題なのかというと、コウモリもサルも人間にも感染する病原体を媒介する動物だからです。
研究チームはアフリカで6年間調査を続けるうちに、セルコピテクス属のサルたちによる13件のコウモリの捕食を目撃したそうです。木にぶら下がって寝ているコウモリを手でわしづかみにして食べます。コウモリも安心して寝ていられませんね。
サルによるコウモリの捕食は、ナイジェリアやケニアで発見されています。研究者らによると、「コウモリはサルにとって貴重なごちそう」なのだという。捕食している様子は動画でも撮影されています。
セルコピテクス属のサルたちは、果物や葉のほか、トカゲやヘビ、鳥、ネズミなど何でも食べるようです。そして今回、コウモリも食べることが明らかになりました。
コウモリを感染源とする病原体といえば、最近では西アフリカを中心に感染が拡大した「エボラウイルス」が有名になりました。
これまでは、コウモリの唾液や排泄物が付着した果物をサルが食べることで感染し、さまざまな動物を介して人間にも感染するようになったとされていました。ところが、今回の調査から「サルが直接コウモリを補食」するという感染経路が明らかになったわけです。
Bat Predation by Cercopithecus Monkeys: Implications for Zoonotic Disease Transmission
参考:GIZMODO