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スマホの使いすぎが原因で発生する体の異変「スマホ症候群」の症状には何があるのか

スマートフォンの使いすぎによる体の不調が取り沙汰されるようになって久しいですが、いま一度、どのような異変が体に起こるかについてまとめてみます。

小指の変形

昔の携帯電話と比べて、最近のスマートフォンはとてもデザインが洗練されています。特に形状はとてもシンプルで手触りもよくなっているのですが、その分、持ちにくくなっているのも事実。これを小指一本で支えるわけですから、変形しても不思議ではないですね。

テキストサム損傷

小指の変形のことを「テキストサム損傷」と呼ぶケースもあるようですが、本来は親指で入力する際に腱鞘炎を起こした症状を呼ぶようです。

痛みを感じてスムーズに関節の曲げ伸ばしができない状態で、軽症なら冷やして安静にしておけば治りますが、重症化するとステロイド注射や手術が必要になるという。

ドケルバン腱鞘炎

最近の高性能なスマートフォンは意外と重みがあります。長時間にわたってスマートフォンを持ち続けることで、親指につながる筋(腱)が炎症を起こしてしまいます。手首を下に向けた状態で親指を前後に動かしたときに痛みが生じるようであれば、ドケルバン腱鞘炎の疑いがあります。

スマホ肘

スマートフォンの使いすぎによる体の異変は「肘」にも起きます。スポーツの世界では肘の使いすぎによる「テニス肘」や「ゴルフ肘」、あるいは「野球肘」などが知られていますが、スマートフォンの長時間使用によっても肘に過度な負担がかかってしまいます。

VDT症候群

スマートフォンに限らずパソコンの使いすぎによっても起きる「VDT(Visual Display Terminals)症候群」。連続してディスプレイを見続けることで、ドライアイや目の充血、視力低下などが置きます。ディスプレイが発する光「ブルーライト」から目を保護するPCメガネが流行しました。

ストレートネック

もともとはパソコン作業が多い人に出る症状でしたが、スマートフォンの使いすぎも原因になります。

人間の首は、もともと頭の重さをうまく分散させるために適切なカーブを描いていますが、パソコンやスマートフォンの使いすぎでカーブが失われてまっすぐの状態になったのがストレートネックです。この状態になると、頭の重みが首や肩に乗ってしまい、首や肩の痛み、めまい、耳鳴り、吐き気や腕のしびれなどの諸症状につながります。

スマホ巻き肩

長い時間にわたってスマホを使っていると、肩の関節が内側に丸まった状態で筋肉がかたまってしまい、次第に肩が内側に巻き込まれた状態になってしまいます。この状態が長く続くと、心筋の動きが制限されてしまい、さらには肋骨も適切に動かせず呼吸がうまくできなくなってしまいます。

ファントムバイブレーション症候群

スマートフォンのバイブ機能を使っていると、メッセージなどの着信があったときにブルブルと震えます。長くスマートフォンを使っていると、実際には着信していないのに震えたように感じてしまう幻のバイブレーションが「ファントムバイブレーション」です。

不眠症

毎晩、就寝前にスマートフォンを使う生活を続けていると、体の睡眠ズムが狂い出して睡眠障害になる危険性があります。ディスプレイが発するブルーライトは体内時計の調節に関わるメラトニンの生成を抑制してしまうためです。

ブルーライトをカットするPCメガネなどを使用するか、あるいは就寝の1時間前からはスマホの使用はやめたほうがよいでしょう。

スマホ依存症

常にSNSやサイトなどの更新状況が気になったり、充電が切れたり電波のない環境にいるとイライラするようになると、「スマホ依存症」になっているかも知れません。スマホに触れられない状況になると強い不安感が生じるようであれば、禁断症状の可能性があります。

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スマートフォンは非常に便利な通信機器ですが、その分、つい長時間にわたって使ってしまいます。歩きスマホや運転中の使用などの危険性もよく言われていますが、体への負担もまた知らず知らずのうちに蓄積していきます。気がついたときには、すでに大変な不調を抱えているケースもありますので、自分の中でルールを決めるなど、使いすぎにならないように気をつけたいですね。