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グーグルとグラクソが目指す「バイオエレクトロニクス治療」とはいったい何か?

グーグルの関連会社「ベリリー・ライフサイエンシズ」と英製薬大手「グラクソ・スミスクライン」が共同で新会社を設立しました。目指すのは体内埋め込み型の小型医療機器の開発で、生体電子工学(バイオエレクトロニクス)に基づくという。




両者が共同で設立した会社「ガルバーニ・バイオエレクトロニクス」が開発する機器がターゲットとしているのは、体内を走るの「神経信号」です。

脳から神経を通じて各器官に送られる電気信号は、生体のさまざまな生理活動をコントロールするホルモンの分泌を制御します。

同社が目指すのは、これらの電気信号の情報を解読して異常を察知し、そして刺激を与えることでその異常を修正する治療法です。

ガルバーニは、体内の神経信号をモニタリングできる埋め込み型の小型機器の開発を目指しています。大きさは錠剤ほどで、一度手術をして埋め込めば、効果が何十年も持続して投薬による治療が必要なくなる可能性があるという。

初期の研究では、炎症や代謝系、糖尿病を含む内分泌系が治療の対象になるとのこと。

ベリリーは、消費電力が少なく小型で体内への埋め込みが可能な機器やソフトウェアの開発、そしてデータ解析などのノウハウを提供するという。

グラクソは2012年から活動を本格化しており、東京都健康長寿医療センターを含め世界で約50の共同研究を進めています。

iPS細胞など再生医療の分野の発展がめざましい時代ですが、将来的にはこのような電子機器を使った治療法もまた、大きく進展していくのかも知れません。