バイオ研究を紹介するネットメディア 10.17 Thu

VRを使った幽体離脱の体験が子どもの自我形成に役立つ

仮想現実「VR」はゲームなどの他さまざまな分野で活用が試みられています。ある研究ではVR装置を使って体外離脱の感覚、すなわち「幽体離脱」とも言える体験をする実験が行われています。

「out of body」体外離脱の感覚はVRを使ってどのように実現できるのでしょうか。

実験では、被験者の後ろ側2メートル離れたところにビデオカメラを設置して、後方から映し出された姿を被験者自身がVRゴーグルを使ってリアルタイムで観察します。

この状態において、被験者は棒で背中を突かれる体験をします。

すると、被験者は背中を突かれる感覚を実際に感じると同時に、ゴーグルの中では目の前にいる「自分」が背中を突かれている様子を観察することになります。

この実験を続けていくと、目の前に「見える」もう一人の自分を自己と認識する、いわゆる「体外離脱」の感覚をもつことができます。

研究では、6~7歳、8~9歳、そして10~13歳と3グループに分けられた子どもたちに体験させて、実際に「体外離脱」の感覚をもつことができるかどうかを調べました。

その結果、6歳の子どもであってもVRを使って体外離脱の感覚をもつことができることがわかりました。さらに、8歳になるとバーチャルの体を「触る」感覚すら得ることが可能になるとしています。

このような体外離脱の感覚は、大人になるほど強く得ることができるようになるとのこと。

この研究は、VRを使った体外離脱体験が「自己感覚」の発達に役立つことを示したものです。

基本的な自我の形成は主に幼児期に形成されますが、自己が自分自身の肉体から離脱する感覚を知ることが、自己感覚の発達には役立つとしています。

VR装置の開発は近年大きく進んでいます。「仮想現実」の体験とは、実際には存在していないものを知覚する体験ですが、このように「体外離脱」もまた、仮想現実の一つになるわけですね。

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