バイオ研究を紹介するネットメディア 10.17 Thu

30分以上座り続けると死亡リスクが上昇してしまう

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デスクワークで一日中座り続けることが健康に悪影響を与えることは、これまでもさまざまな研究結果などから繰り返し言われてきました。それでは、いったいどれくらい座り続けると健康に悪いのか。今回、新たにわかった研究結果から言えることは、「30分間」を目安にデスクワークを休憩して少し歩くとよいようです。

腰の加速度センサーで座る時間を計測

米コロンビア大学の研究グループがこの問題について新たに発表した論文では、1日のうち座っている時間や持続して座り続ける時間と死亡リスクの関係が発表されました。

今回の研究を始めたきっかけは、白人より黒人の方が脳卒中が多い理由、とくに南部に住む黒人のリスクが高いのはなぜかを調べることだったようです。

研究グループは、45歳以上の7985人について、7日間の日常における活動データを収集。その後、4年間の追跡調査をしています。

一日のうちどのくらいの時間を座って過ごしているか、アンケートではなかなか正確な時間はわかりません。実際、毎日それほど意識して生活はしないもの。今回利用されたデータは研究対象者の腰に加速度センサーを装着して取られたデータですから、これまでの研究と比べて信頼性の高いデータといえます。

研究期間中に死亡した人数は340人。およそ4パーセントの人ですが、死亡理由については特に限定していません。

座って過ごす時間が長いと早死にリスクが高まる

研究グループは、腰に装着した装置のデータを使って主に2つのことについて分析しています。一つ目は、一日のうち座っている時間は合計何時間であるか。二つ目は、一度に座り続けている時間の長さ。

分析の結果、一日のうち座っている時間の平均値は12.3時間でした。これは睡眠している時間を除いています。一日に平均8時間睡眠しているとすると、実に77%もの時間を座って過ごしているようです。

次に、一度に平均してどの位の時間を座り続けているかについては、11.4分という分析結果を発表しています。デスクワークをしていると、より長い時間を座っていると思いますが、今回の研究対象者の平均で言えば、11.4分という結果が出ています。

さて、それでは座っている時間と死亡リスクとの関係はどうだったのでしょうか。

分析によると、おおむね1日のうち座っている合計時間が長いほど、あるいは座り続けている時間が長くなるほど死亡リスクは高くなることがわかりました。これまでに言われていた、座っている時間が長いと健康に悪影響を及ぼすといった見解と、一致しています。

では具体的にはどのくらいのリスク上昇があるのか。

まずは合計時間について。1日の座る時間の平均値は12.3時間でしたが、分析の結果では合計13時間以上座る人は11時間程度の人と比べて死亡率が2倍に跳ね上がることがわかりました。

次に、座り続ける時間についてはどうだったのか。一度に座り続ける時間が30分未満だった人は、30分以上の人と比べて死亡率が55%低いことがわかりました。さらに90分を超えて座り続けることが多い人は、そうでない人と比べて2倍近くになるという。

つまり、60から90分ごとに立ち上がっていた人と比べて、30分以内に立ち上がっていた人では死亡リスクが低いことがわかりました。

座る合計時間と座り続ける時間、それぞれの要因について合わせてみると、1日に12.5時間以上を座って過ごして、さらに一度に30分以上続けて座る人は死亡率が最も高いことが明らかに。

座り続ける悪影響をどのように排除すべきか

今回の研究では、統計的に座る時間と死亡率との関係が調べられましたが、なぜ座り続けると体に悪いのかについては明らかにされていません。

しかしながら、座り続けることと死亡リスクに関連があることは明白になりました。これはデスクワークを主な仕事としている人にとっては非常に困った問題です。1日にどの程度の時間を座って過ごしているかについては、平均を上回っていることは計算しなくても明らかでしょう。

そして悪いことに、デスクワークを始めてしまえば30分経過する前に立ち上がるなど、ほとんど非現実的なことも考えるまでもありません。そんなことをしていては仕事に集中できやしません。ではいったい、どうしたらよいのでしょうか。

そもそも「座り続けること」の何が体に悪影響を及ぼしているのでしょうか。1つには血流が悪くなることが指摘されています。

座り続けることと心疾患や脳卒中リスクの関係について言われていますが、血流が悪くなることで血管内皮に悪影響が出ることを考えれば、確かにありそうな話です。

血流を改善するために定期的に歩いたり軽く運動をするなどは当然の対処法で、できれば日常的に実践したいものです。しかしながら、仕事中に、しかも30分以内に一度必ず運動するなど、普通の仕事であればできるものではありません。ではどうしたらよいのでしょうか。

ひとつ、ぜひ実践してみたいことは「足裏マッサージ」です。足の裏に圧をかけて刺激を与えることで血流を改善することはよく知られています。もしかすると、座りっぱなしでいることの体への悪影響の根本には、足裏への刺激がなくなることによる血流の悪化であるのかも知れません。

ウォーキングや運動などを仕事中に行うことは難しくても、足裏のマッサージであれば日常的に可能ではないでしょうか。

例えば、机の下などにマッサージ用のマットやローラーなどを置いておき、靴を脱いで踏みながらデスクワークをする程度であれば、周りに変な目で見られることもなく血流を改善することもできます。

アマゾンなどで探してみると、手頃な価格のアイテムがいくつも見つかります。座りっぱなしでのデスク仕事が多い人はちょっと試してみてはいかがでしょうか。

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ドラゴンマット
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1枚あたり大小合わせて6,182個の突起(通称”ドラゴンの爪”)。全身の体重を乗せることで約1.5mmほど爪が足裏に食い込み、ツボを刺激して血行を良くする。

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ローラーでコロコロと刺激すると、身体が温まり血液の流れが良くなり足の疲れも吹き飛びます。

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