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分子イメージングで歯周病を検出する新たな手法を開発

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組織中の分子の動きを画像化する「分子イメージング」の技術を使って歯周病の進行を検出することに、岡山大学の研究グループが成功しています。患者の早期診断、そして早期治療につながる可能性があります。

歯周病と虫歯は歯科の2大疾患と言われていますが、解くに日本では歯周病の有病者率が高く、歯周病が疑われる患者数は国内に9千万人以上いると考えられています。

最近では歯周病は生活習慣病とも位置づけられており、糖尿病や心疾患、リウマチなどとの関連性が報告されています。しかし実際に歯科受診をしている患者はわずか3%程度しかおらず、歯周治療への取り組みが重要な課題となっています。

歯周病になると、歯周病組織のまわりには「好中球」と呼ばれる免疫細胞が集まってきます。

そこで研究グループは、好中球が歯周病の組織に集まる際に生じる微弱な発光現象「Myeloperoxidase活性」を分子イメージング技術で観測して、歯周病を検出する方法を開発する研究を行いました。

実験では、マウスに歯周病を発症させて、Myeloperoxidase活性による発光を増強する試薬を投与しました。

専用の検出器を用いて歯周病の部位における発光の強さを調べたところ、歯周病のマウスでは歯の周囲の組織で発光をはっきりと検出することができました。

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健康なマウスと歯周病マウスの検査画像の比較(岡山大学)

Myeloperoxidase活性が観測されると、その強さに応じて色が変化しています。

また、慢性の歯周炎患者においても、炎症の強い組織にあつまる「18F-FDG」と呼ばれる物質を検出する分子イメージング検査によって、歯周治療による歯周病の改善を観察することができました。

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慢性歯周炎患者におけるPET/CT検査画像(岡山大学)

治療後の画像をみると、色の強さが改善されているのがわかります。

歯周病の検査は一般の人にはとてもわかりにくく、もし画像上で歯周病の進行がはっきりとわかれば患者自身が状況をより理解できるようになります。また、新しい歯周病検査方法として専門的な歯周治療の発展につながる可能性があるとしています。

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