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性交渉未経験の割合は2002年を境に増加している

性交渉の経験についてはいつの時代もさまざまなメディアが取り上げる話題の一つですが、研究機関が真剣に取り組んだ調査はあまりないかも知れません。東京大学の研究グループは、出生動向基本調査を用いて詳細な分析を行いました。

日本は世界でも出生率が低い国として有名です。その理由として成人の性交渉未経験の割合が増加していることが言われていましたが、国民全体を対象とするデータで詳しく調べられたことはありませんでした。

研究グループは、国立社会保障・人口問題研究所が実施した1987年から2015年の出生動向基本調査を持ちて分析しました。

対象者は18から39歳の成人(1987年のみ18歳から34歳)で、サンプルサイズは1万人を超える大きなものです。

調査では、性別や年齢グループ別に異性間性交渉の未経験割合を算出しました(同性間性交渉経験についての情報は利用不可能でした)。

1992年から2015年の間、18歳から39歳の成人における性交渉未経験の割合は、女性では21.7%から24.6%に、男性では20.0%から25.8%に増加していました。

年齢別でみると、30歳から34歳では、女性は6.2%から11.9%に、男性は8.8%から12.7%に増えています(1987年から2015年)。

35歳から39歳だと、女性は4.0%から8.9%に、男性は5.5%から9.5%に増えています。

このように、異性間性交渉が未経験な人の割合は、この20年間で男女ともに増加している傾向が確認されました。

30代の日本人成人でみてみると、おおむね10人に1人が性交渉の経験が無いと回答していることがわかります。

性交渉経験の割合はおおむね2002年を境に減少している

さて、調査結果からいくつか興味深い事実が明らかになっているようです。

女性の18歳から19歳について「未経験」の割合は、1987年だと80.7%あったものが、2002年では65.1%まで低下します。しかしその後は再び上昇し、2015年には77.5%まで増加しました。

同様に20歳から24歳についても、1987年の55.5%は2005年には36.0%まで低下して、その後上昇して2015年には44.4%になっています。

男性についても同様です。18歳から19歳について「未経験」の割合は、1987年だと74.9%あったものが、2002年には66.1%まで低下。それから上昇に転じ、2015年には75.1%まで増加しました。

20歳から24歳についても、1987年の41.9%が2002年には34.2%まで低下して、その後上昇して2015年には46.6%になっています。

これらの調査結果をまとめると、男女ともに2002年ごろまでは性交渉の「経験者」の割合は増加するものの、その後は減少に転じて「経験しなくなっている」ということがわかりました。

そのほか、性交渉の経験と関係するものとして、いくつか明らかになっているようです。

男性の場合は時短勤務や非正規雇用、あるいは無職の人では性交渉の未経験と関連があること、一方で女性の場合は無職の人の方が未経験の割合は低いことがわかりました。

また、収入と経験との関連でいうと、男性では年収が増加するについれて未経験の割合が減少するが、女性では最も年収が少ないグループで未経験の割合が最低でした。

性交渉の未経験者の割合が増加傾向にあること、そして男性では収入の低い人の方が未経験の割合が高いことにどのような要因があるのかは不明ですが今後の人口動向に影響を及ぼす可能性については否定できません。

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