バイオ研究を紹介するネットメディア 11.20 Wed

誕生日に自殺や事故死が多くなるというのは本当か?

誕生日に死亡する人が多いという傾向についてみなさんは聞いたことがあるでしょうか。実は海外の研究でも確認されている事実であり、自殺予防の対策などでも重要になってきます。日本での状況について、実際に統計を使って分析した研究が発表されています。

誕生日の前後における死亡リスクについては2つの仮説が提唱されており、一つ目は「延期仮説」といって、自分にとって意味のある記念日を迎えるまでは生き続けようとするひとが多いとする説です。

そして2つ目が「誕生日ブルー仮説」で、記念日を期待した形で祝うことができず、孤独感などのストレスが増えるために誕生日に死亡するひとが多くなるという仮説です。

欧米の研究では後者の誕生日ブルー仮説を支持する結果が得られていますが、文化の異なる日本ではどうなのでしょうか。

大阪大学の研究グループは、1974年から2014年までの人口動態調査を使って死亡者の誕生日との関係を調べました。

対象としたのは自殺、交通事故死、溺死、窒息死、転落死で、全部で207万人について調べました。

誕生日前後の死亡者数(大阪大学)

このグラフでは、誕生日と死亡日が同一であれば0、日にちが離れるほど0から離れた値を横軸としてとり、縦軸は死亡者数を表しています。

グラフをみると、横軸が0つまり誕生日の死亡者数はおよそ8000人で、そのほかの日にちとは明らかに数が違うことがわかります。

ポアソン回帰分析を使って死因別にみてみると、誕生日の影響が最も強くみられるのは自殺。自分の誕生日に自殺で亡くなる人はそれ以外と比べて50%も多いことがわかりました。

そのほかだと、交通事故死や溺死、転落死などの数においても誕生日はそのほかの日と比べて20から40%ほど上昇することもわかりました。

このように、日本においても誕生日は自殺するひとが多くなること、さらには事故死のリスクも高まることが統計によって明らかになりました。

この結果は、自殺リスクの高いひとが誕生日を迎える際に医療関係者や家族、友人が特に注意を払うなどの必要性を示唆するものといえるかも知れません。

新着記事