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STAP細胞論文の疑義に関する調査中間報告の要旨

4 STAP細胞の論文に関して多数の疑問点が指摘されている問題で、理化学研究所は14日、東京都内で記者会見を開き、所内の調査委員会による中間報告を行った。

 今回、調査対象になった内容は6点あり、そのうちの2点についての判断を下した形だ。また、残り4点については調査を継続し、結論を得た時点で速やかに報告するとのことである。

 調査項目については不正行為の有無を確認していくが、STAP細胞の再現性など、研究そのものの正当性に関してはサイエンスコミュニティによる検証を待つとの見解が記者会見で発表された。

 また、論文著者らによる公式な会見の時期については調査委員会による調査の終了を待ってから行われる可能性が示唆された。

 以下、理研の調査委員会による中間報告の要旨

 
対象論文1:Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency(Nature 505, 641–647)

対象論文2:Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency (Nature 505, 676–680)

<結論が得られた項目>

1.論文1:Fig.1fのd2とd3の色付きの部分が歪んでおり不自然である点については、撮影して図を作製をする過程で生じたことであり、不正行為はなかったと結論づけた。

2.論文2:Fig.1b(右端パネル)とFig.2g(下パネル)の画像が酷似する点については、論文の作成過程で必要のない図を削除し忘れたミスであり悪意があったとは認定できず、不正行為はなかったと結論づけた。

<調査継続中の項目>

1.論文1:Fig.1iの電気泳動像においてレーン3が挿入されているように見える点。

2.論文1:Methodの核型解析に関する記載部分が別の論文からの盗用であるとの疑いがある点。

3.論文2:Methodの核型解析の記述の一部に実際の実験手順とは異なる記述があった点。

4.論文2:Fig.2d, 2eのSTAP細胞からの分化細胞、及びキメラマウスの免疫染色データにおいて画像の取り違えがあったこと及び調査過程で、これらの画像は小保方氏の学位論文に掲載された画像と酷似することが判明した点。

研究論文(STAP細胞)の疑義に関する調査中間報告について(理化学研究所)