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ほとんどの成人が感染している「EBウイルス」、重い免疫疾患を起こすウイルスタンパク質を特定

 非常に多くの成人が感染しているエプスタイン・バー(EB)ウイルスがまれに引き起こす重い免疫疾患の発症に関与するタンパク質を特定したと、大阪大や米ハーバード大の共同研究チームが25日付の米科学アカデミー紀要で発表した。

 ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスは、世界中でみられる伝染性のウイルスで、一生の間に大部分の人が感染する。感染すると、体内の免疫細胞に入り込んで持続感染するが、ほとんどは無症状か軽症ですむ。

 ただし、まれに全身の臓器に炎症が生じる「全身性エリテマトーデス」や、視覚障害などが起きる神経難病「多発性硬化症」などの重い免疫疾患を引き起こす一因になるとされる。

 研究チームは、マウスにウイルスを感染させて免疫疾患を起こした状態を再現した。マウスを調べたところ、ウイルスが出すタンパク質が免疫細胞で活発に働き、異常な免疫細胞が増えて一部が自身の組織を攻撃していることが確認された。

 大阪大免疫学フロンティア研究センターの安居輝人准教授は、「今回、特定したタンパク質の働きを抑える化合物を探し、治療法や予防法の開発につなげたい」としている。

(via 読売新聞