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無意識に視線を追うときの脳の活動部位を特定 自閉症の原因解明に期待

脳の部位

 他人の視線を無意識に追う際に活動する脳内の部位を特定したと、京都大の佐藤弥准教授らの研究グループが発表した。視線を介したコミュニケーションに障害がある自閉症の原因の解明につながる可能性がある。

 実験では、20代の男女27人に対して3種類の画像を提示した。視線を被験者に対してまっすぐに向けているか、あるいは左右のどちらかに視線をそらしている人の画像の3種類で、意識できない短時間だけ提示された。画像が提示された際に活性化した脳の部位は、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を使って観測した。

 その結果、左右に視線をそらしている画像を提示されたときのみ、被験者の「脳幹」や「扁桃体」が活発に活動したという。一方、通常の視覚認知では大脳新皮質が主に活動することがわかっている。

 佐藤准教授は「自閉症の人でも、視線を処理する時の脳の働きを解明したい。病変部位が分かれば、治療法開発にも期待できる」としている。

(via 京都新聞