幸福感を強く感じる人は右脳の後部内側にある「楔前部」が大きいと、京都大の佐藤弥特定准教授らの研究グループが20日付の英科学誌「Scientific Reports」で発表した。快感や不快感と関わることは知られていたが、幸福感と大きさの関係についてわかったのは初めてだという。
研究グループは、10歳代から30歳代の男女51人を対象に、磁気共鳴画像(MRI)を使って「楔前部」の体積を測定し、そして幸福度の測定テストを実施して関係を分析した。
幸福度のテストでは、他人に褒められたときの快感の強さや自分の存在意義の大きさなどから、幸福の強さが数値化できる。
その結果、幸福感が強い人ほど楔前部の大きさが強いことがわかった。楔前部の大きさは環境に変化することから、うつ病など精神・神経疾患の治療の効果を確認するのに役立つ可能性があるという。
また、幸福増進プログラムの開発、国や民族間の幸福度の比較研究などへの応用が期待できるとしている。
(via 読売新聞)