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リハビリでまひが回復するメカニズムを解明、効率的なリハビリ法の開発に期待

リハビリ

 リハビリによって脳出血後のまひが回復するメカニズムを、生理学研究所と名古屋市立大の研究チームが解明した。電気刺激を使うなど効率的なリハビリ法につながる成果だという。

 大脳の運動野から手足への命令は神経回路で脊髄を通じて伝わるが、脳出血によってこの神経回路が遮断されるとまひが生じる。

 研究チームはラットを使って、まひした前脚を強制的に使わせるリハビリを1週間にわたり実施した。その結果、脳の運動野から脳幹の「赤核」と呼ばれる場所へ神経が複数伸びるのを確認した。

 まひした前脚を使って台の上のえさを取る実験を行ったところ、リハビリをしないラットの成功率は19%だったが、リハビリをしたラットでは48%だった。

 一方、赤核を通るルートを遮断したところ、18%まで下がることがわかった。脳が赤核へのバイパスをつくることで神経回路を補強したと考えられるという。

 電気刺激などでこの経路を活性化するなど、より効率的なリハビリ法を開発できる可能性があるという。

(via 朝日新聞