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温度環境を認識する神経回路メカニズムを解明

 線虫の神経回路が温度環境を認識して行動を制御する仕組みを解明したと、名古屋大の森郁恵教授らの研究グループが科学誌「Journal of Neuroscience」で発表した。神経回路による環境認識の基盤や、マイクロロボットの制御機構などへの応用が期待される。

 温度変化は生物にとって生死に関わる重要な情報だが、神経回路によってどのように検知、認識されるかはよくわかっていない。

 研究グループは、神経回路が詳細にわかっている線虫の神経活動を計測した。

 その結果、温度受容神経細胞が、非常に穏やかで連続的な温度変化を離散的で明確な神経活動へと変換し、さらにその情報を変換して行動を制御していることを明らかにした。

 また、神経細胞の応答モデルを構築して任意の温度変化から得られる神経活動を再構築することにも成功した。

 神経活動の計測から逆に温度入力の推定を行い、自由行動する線虫が置かれている温度環境の再構築にも成功した。

参考:名古屋大学