バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 3.28 Thu

カテゴリー化して情報整理する脳の神経活動を解明

 カテゴリー化によって情報を整理して判断する神経活動を前頭連合野で発見したと、東北大の筒井健一郎准教授らの研究グループが科学誌「Journal of Neuroscience」で発表した。アスペルガー症候群などの発達障害の理解や治療法開発につながると期待される。

 研究グループは、提示された視覚情報からその後に与えられる飲み物を予測する課題をニホンザルに訓練して、前頭連合野から神経活動を記録した。

 その結果、前頭連合野の一部の神経細胞が、概念の一種であるカテゴリーや、それを使って予測した結果の情報を保持していることを発見した。

 脳が基本戦略として、膨大な情報をカテゴリー化して整理することで物事の関係性を分かりやすくして、思考や判断に使っていることがわかった。

 抽象的概念の形成や、それを使った論理的思考に関わる神経メカニズムの理解、あるいは抽象的な思考が不得意とされるアスペルガー症候群などの理解につながるという。

参考:東北大学