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先天性多発性関節拘縮症の原因遺伝子を特定

 先天性多発性関節拘縮症の原因と予想されている「ECEL1/DINE」遺伝子の変異が実際に運動神経の異常につながることを確認したと、名古屋大や理化学研究所の研究チームが科学誌「Acta Neuropathologica」で発表した。

 先天性多発性関節拘縮症は、関節の稼働域が制限され、運動障害や眼瞼下垂、斜視などが見られる疾患。

 最近、神経特異的に発現するプロテアーゼの遺伝子「ECEL1/DINE」に、遠位関節拘縮症の家系で変異があることが同定され原因遺伝子である可能性が示された。

 研究チームは、運動神経を蛍光タンパク質で標識したマウスとECEL1/DINE遺伝子のノックアウトマウスを交配して調べた。

 その結果、このマウスの四肢の骨格筋で運動神経軸索の分岐が著しく低下していることを突き止めた。

 また、10種類以上の四肢の骨格筋で異常を評価したところ、大腿や下腿と比べて足の運動神経の発達がより強く影響を受けていることがわかった。

参考:名古屋大学