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植物における共生菌社会をまとめる「中心核」となる種の存在を発見

 植物の根に共生する真菌類がつくる複雑な相互作用ネットワークの構造を解析し、「中心核」となる種の存在を発見したと、京都大の東樹宏和助教らの研究グループが科学誌「Journal of the Royal Society Interface」で発表した。植物に「善玉菌」の定着を促す技術などにつながると期待される。

 植物の根には「菌根菌」と呼ばれる真菌類が感染して生育が促され、病原性生物による悪影響を抑制することが知られている。しかし菌根菌は培養が難しく、植物体内の微生物相の制御も極めて難しい課題とされている。

 研究グループは、真菌が構成する「相互作用のネットワーク」に着目し、DNAバーコーディング技術で得られた膨大なデータを解析した。

 その結果、一見複雑な微生物相でも、ごく少数の「仲良し菌グループ」に分類され、さらに「中心核」となる種の存在が明らかになった。

 この「中心核」種はグループのまとめ役として利用して、植物との関係を制御できる可能性があるという。

参考:京都大学