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凝集タンパク質を可溶化・活性化する「プラスチックシャペロン」を開発

 凝集したタンパク質を可溶化・活性化する合成ゲル粒子を開発したと、九州大の星野友准教授らの研究グループが米国化学会誌「Jounal of the American Chemical Society」で発表した。

 生体内では、「分子シャペロン」と呼ばれるタンパク質群がタンパク質の凝集の抑制、脱凝集の促進をしている。

 近年、分子シャペロンのような機能をもつ人工材料が注目されているが、一度凝集したタンパク質の脱凝集を促進して活性のある状態に巻き戻す人工材料は開発されていなかった。

 研究グループは、特定の組成で合成された直径100ナノメートルのゲル粒子がタンパク質の凝集体を可溶化し、活性状態への巻き戻しを促進することを発見した。

 このゲル粒子は、変性タンパク質に対して強く結合し、活性状態のタンパク質には比較的弱く結合することで、変性タンパク質の凝集体を効果的に巻き戻すことがわかった。

参考:九州大学