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AIを使って薬の「けいれん誘発作用」を高精度で予測

薬の候補物質が「けいれん誘発作用」をもつかどうかを高精度で予測できる人工知能を使った手法を開発したと、東京大の研究グループが科学誌「Journal of Pharmacological Sciences」で発表した。




医薬品を開発する過程では、ヒトを対象とした臨床試験を実施する前に安全性の確認が行われる。しかし、この段階で中枢神経系への副作用を予測することは困難だった。

ヒトに対してけいれんを誘発する副作用がある薬物は、特徴的な「局所場電位の変化(けいれん様発火)」を引き起こすことがわかっている。

研究グループは、マウスの脳スライス標本にさまざまな薬物を反応させて局所場電位を記録し、その変化を画像ファイルに変換した。そして、この画像ファイルを人工知能に認識させて学習させた。

その結果、16種類の薬物すべてについて、副作用の有無を正確に予測できることがわかった。