バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 4.19 Fri

iPS細胞やES細胞の培養操作を簡便かつ低コスト化できる方法を開発

 iPS細胞やES細胞の培養操作を簡便かつ低コスト化できる手法を開発したと、京都大の研究グループが科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表した。




ES細胞やiPS細胞など多能性幹細胞を創薬や治療に応用するには、非常に多くの細胞を生産する必要がある。

これらの細胞を効率よく培養するには、培養容器に細胞を接着させて生存性を高める必要がある。

従来では、細胞を接着させる「のり」の役割をもつ材料となる物質を事前に培養容器に付着させており、この作業に1時間ほどの時間を要していた。

新しい手法では、これらの材料のうち「ラミニン511」というタンパク質の断片のみを、あらかじめ細胞溶液に混ぜるだけで、従来の方法と同程度の接着性が得られる。

また、必要となるラミニン断片の量もこれまでの10分の1の量で済むことから、手間がかからない上にコストも低く抑えることが可能になるという。