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無花粉遺伝子の保有を判定できるDNAマーカーを開発、無花粉スギの品種改良を効率化

無花粉スギ「爽春」の無花粉遺伝子を高い精度で検出できるDNAマーカーを開発したと、森林総合研究所林木育種センターと九州大の研究チームが発表しました。無花粉スギの品種改良のスピードアップが期待されます。




現在、日本国民のおよそ3割は花粉症にかかっていると言われ、大きな社会問題の一つとされています。スギ花粉症の対策として花粉症の発生源を減少させることが挙げられており、「無花粉品種」の開発が進められています。

ゲノム情報を活用してスギの品種改良にかかる期間を短縮するため、これまでに約7万のDNAマーカーが開発されています。

研究チームは、これらのうちの1つが、無花粉スギ「爽春」の無花粉遺伝子を高精度で検出するマーカーであることを突き止めました。

このDNAマーカーを使うと無花粉遺伝子をもっている個体かどうかを判定することができ、これまでに100%の精度で判定できることが確認されています。

今回開発されたDNAマーカーを活用すると無花粉スギの改良が効率化でき、成長の優れた無花粉スギの創出につながると期待されます。