バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 4.20 Sat

合奏でテンポが速くなってしまう「走る」のはシンクロの調節メカニズムが原因

合奏したときにテンポが速くなってしまう「走る」のは、演奏者が緊張したり高揚することより、タイミングを調節するメカニズムに原因があったと、東京大の研究グループが科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表しました。




音楽を演奏するときにテンポが意図せず速くなってしまう現象が知られています。この傾向は合奏するときに特に顕著にみられます。

研究グループは、メトロノームにテンポを同期させた指タッピングを行い、その後にメトロノームを停止させた以降も同じようにタッピングを続ける課題について「ソロ」と「ペア」で実験しました。

その結果、ペアで行った場合はソロよりもテンポが速くなりやすいことがわかりました。

また、ペアでの高速化は、ソロで速くなりやすい人が参加する場合も参加しない場合も統計的に有意な差はありませんでした。

つまり、ペアでテンポが速くなるのは、タップが速くなりがちな人がリードしたためというより、2人のうち速い方に対して優先的に修正するというタイミング調節のメカニズムが原因であることがわかりました。

参照情報