肝臓の発生初期の段階でバリンの代謝が成長に重要であることをマウスの実験で突き止めたと、横浜市立大の研究グループが科学誌「Development」で発表しました。iPS細胞などで肝臓細胞を効率的に作製することにつながると期待されます。
一般に、多能性幹細胞の培養ではさまざまな試薬が大量に必要となるため、製造コストが重大な課題となっています。
研究グループは、胎内での肝臓発生で成長が活発な時期について、細胞の代謝がどのようなときに増殖が活発になるかを調べました。
その結果、分岐鎖アミノ酸、特にバリンの代謝がその成長に重要なことがわかりました。
また、バリンを培養液に加えることでヒトiPS細胞由来の肝細胞の増殖性が向上することを確認しました。