お酒を飲むと赤くなりやすい体質の遺伝子多型をもつ人は、寝たきりの要因にもなる「大腿骨近位部骨折」を起こしやすいと、慶應義塾大の研究グループが発表しました。また、ビタミンEの摂取で予防できる可能性があるとしています。
大腿骨近位部骨折は、骨粗しょう症による骨折の中でも特に重篤で、寝たきりや要介護の原因になります。
研究グループは、大腿骨近位部骨折を起こした92人のゲノムを調べました。
その結果、アルコール代謝でアセトアルデヒドの分解に重要な「ALDH2遺伝子多型」で、お酒を飲むと赤くなるflash syndromeの原因となる遺伝子多型の保有率が高いことがわかりました。
ALDH2の機能が影響を受ける遺伝子多型では、アセトアルデヒドの血中濃度が上昇することが報告されています。
また、アセトアルデヒドによって骨芽細胞の機能障害が起こること、さらにその機能障害はビタミンEによって回避できることもわかりました。
今回の研究結果から、お酒を飲むと赤くなる人は骨折しやすい体質である可能性が高く、またビタミンE摂取によってそのリスクを低減できる可能性が示唆されました