植物の根が水分の多い方へと曲がって伸びていく仕組みを東北大の研究グループが解明しました。乾燥地などでの効率的な栽培法につながると期待されます。
植物の根は重力に応答して下側へと伸びるだけでなく、水分の勾配に対しても応答して水分の多い方向へと伸びることができます。
シロイヌナズナを使った実験で、根が水の多い方向に曲がって伸びるために、根が伸びる領域で水分の勾配を感知、屈曲することを明らかにしました。
また、その際には植物ホルモンの「アブシジン酸」と「MIZ1」タンパク質が皮層組織で働くことがわかりました。
根が水分の勾配を感知すると、水分の少ない側の皮層がよく伸びることで、水分の多い方向に曲がることも突き止めました。
水分の勾配に応じて根が曲がる能力を重力と独立して制御することができれば、乾燥地における植物の生産や植物工場において、効率的な水利用につながると期待されます。