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脳梗塞の領域に血管を誘引する「人工細胞足場」を開発

脳梗塞を起こした領域に血管を誘引する働きをもつスポンジ状の「人工細胞足場」を東京医科歯科大の研究グループが開発しました。損傷した脳を修復して再生させる新たな治療につながると期待されます。




脳梗塞は脳の血管が詰まり酸素や血液の供給が絶たれる疾患で、運動障害や言語障害などを引き起こします。

失われた機能を回復するためには神経細胞のダメージを最小限に抑え、損傷した脳の領域を修復して再生するため、新たな血管を誘引する必要があります。

研究グループは、血管内皮細胞の足場として機能するラミニンタンパク質を利用することで、スポンジ状の人工細胞足場を開発しました。

この人工足場に血管を誘引する機能をもつ因子「VEGF」を結合させて脳梗塞モデルマウスに移植したところ、血管新生能をもつことが明らかになりました。

今後は、開頭手術を必要としない非侵襲的な人工細胞足場の開発を目指すとしています。

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