脳科学などバイオ研究のニュースや話題 11.23 Thu
ニューロテクノロジー
映像を見て感じた内容を1万語で表現する脳情報デコーディング技術を開発

20171101155519

画像:情報通信研究機構

映像を見たときに感じた内容を、名詞や動詞、形容詞からなる1万語に言語化することに成功したと、情報通信研究機構・NICT脳情報通信融合研究センターの研究グループが発表しました。

脳情報デコーディング技術

脳情報デコーディング技術とは、画像や映像を見たときに感じたことを脳活動から読み取る技術で、脳と機械をつなぐ未来の情報通信技術の基盤となる技術です。

これまでに、映像を見て感じた「物体」と「動作」の内容を単語の形で言語化して脳活動から読み取る技術が開発されており、約500語の単語の形で推定した例が知られています。

しかし、500単語だけでは実際に感じた多様な内容のごく一部を表現できるに過ぎず、また、映像を見て感じる内容には、物体や動作のほかに「印象」のようなも種類の内容も含まれます。

脳情報デコーディング技術を実用化まで高度化するためには、より多様な内容を、より多くの単語に対応させて脳活動から読み取る必要があります。

100次元の言語特徴空間

今回、研究グループは大規模なテキストデータから学習された100次元の「言語特徴空間」をデコーディング技術に応用しました。

言語特徴空間とは、単語同士の意味的な近さを空間的な位置関係で表現したものです。たとえば、意味の近い「猫と犬」は近い距離で表され、意味が遠い「猫と建物」は遠い距離で表現されます。

今回、大規模テキストデータに含まれている1万語もの名詞・動詞・形容詞を空間内の1点として表現した言語特徴空間を作成して脳活動の読み取り装置に取り入れたことで、従来と比べて20倍となる1万単語を用いての解読が可能になりました。

また、従来は名詞と動詞のみで解読していましたが、今回は形容詞も含めたことで、「印象」に関する内容も解読することに成功しています。

2

デコーダー構築の概要図(画像:情報通信研究機構)

今後は、映像から感じた内容を推定する精度の向上を目指し、さらには推定された内容がどのように個性や購買行動と結びついていくのかを検証していくとしています。

また、発話や筆談が困難な人たちが利用できるような、発話を必要としない言語化コミュニケーション技術の実用化もまた目指すとしています。

脳の中身をライブストリーミングする技術が開発される

1

脳内で起こっている活動の様子をライブストリーミングできるシステムを南アフリカの大学の研究グループが開発しました。脳すらもIoT化される時代になるのでしょうか。
記事を読む

脳波を使って「RとLの違い」が聞き分けられるニューロフィードバック技術を開発

日本語にない音の違いを学習できる「ニューロフィードバック技術」を開発したと、情報通信研究機構などの研究チームが発表しました。日本人が苦手とする「RとL」の音の違いについて、学習しようとせずにリスニング能力が向上するという。
記事を読む

人間が見たり理想している物体を脳活動パターンから予測する技術を開発

1

脳の活動パターンを人工知能モデルの信号に変換して、実際に見ている物体や想像している物体を解読する技術を開発したと、国際電気通信基礎技術研究所の研究グループが発表しました。
記事を読む

「集中力」を発揮している脳の状態を測定できる方法を開発

集中している時に活動している脳の状態を測定できる方法を開発したと、ファンケルが発表しました。集中力を評価できる簡便な方法に応用できるとしています。
記事を読む

サブリミナル画像を使って被験者の思考を読むことに成功

サブリミナル画像を使って個人の宗教的信念や偏見、政治的傾向などの情報を引き出すことが可能になるとする実験結果を、ワシントン大学の研究グループが発表しています。
記事を読む

脳コンピュータ・インタフェースを使って「閉じ込め症候群」の患者と意思疎通に成功

「閉じ込め症候群」とは、脳は正常であるために意識はあるが体を動かすことができないために、外界とのコミュニケーションをとることができない患者のことをいいます。
記事を読む

脳波を読み取って手の指を動かすリハビリ機器、臨床試験を開始へ

 センサーで脳波を読み取った情報を使ってまひした手の指を動かすリハビリ機器について、慶応大とパナソニックの研究チームが臨床試験を開始する。
記事を読む

脳波を測定して自動で作曲する人工知能を開発

 個人の音楽の好みに合わせて自動的に作曲ができる人工知能(AI)のシステムを、大阪大の研究グループが開発した。
記事を読む

脳の血流量を計測して手指を動かすリハビリ用ロボットを開発

 脳の血流量の変化に応じて手指を動かすことができる装置を使った、脳卒中患者の手指のまひを改善するリハビリの臨床試験を、九州大の研究グループが開始する。
記事を読む