バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 3.29 Fri

大きな決断を下すときは「外国語」で考えた方がよい理由

1-12

生きていると、大なり小なり「決断」をする必要に迫られる機会がけっこうあります。今日のランチは肉にしようか魚にしようか、休憩時間は何を飲もうかなどの些細なことから、仕事上のリスクを伴う決断、あるいは人生という大きな流れの中ですべき大きな決断など。




いくつか選択肢がある中で、より正しい方を上手に選び出すのはなかなか難しいことですよね。さまざまな余計なことを考えすぎたり、感情に流されたり、細かなことが気になり出して大局を見誤ることもあります。

より客観的に、正しい方を選ぶための方法はないものでしょうか。

心理学の研究から、不必要なバイアスにかかりにくく、リスクを少なくする方法が明らかにされています。それは、「外国語」で考えることです。

外国語で考えると客観的に考えることができる

研究グループが決断とバイアスの関係を調べる実験を行ったところ、外国語で考えて決断を下したときにはバイアスがかかりにくく、物事を大局的に捉えることができるのようになることがわかりました。

なぜ、外国語で考えた方がよいのでしょうか。

何かの問題について決断を下そうとするとき、人間はどうしても感情に流されて客観的に分析できなくなる傾向があります。

その決断によって生じる問題が大きければ大きいほど、あるいは考えれば考えるほど、理性的な思考を妨げる「感情」の部分が入り込んできます。

また、似たような問題に以前直面したときの経験もまた、足を引っ張ることもあります。以前とは状況が違っていたとしても、そのときの経験から不必要なバイアスがかかってしまい、正しい選択肢を選ぶことができなくなります。

しかし、外国語で考えることで物事を一歩引いた視線から問題を捉えることができるようになるという。過去の経験からくるバイアスが減り、感情を抑えて分析的に思考ができるようになるそうです。

また、外国語で考えるようにすると、「考えられることが減る」ため、余計な思考を省くことができる面もあるとのこと。

人間というのは、他者から相談された問題に対しては客観的に正しい方向を見いだすことができますが、一方で自分のことはというと、どうしても賢い選択肢を選ぶことができなくなるものです。

そんなときは、あえて「外国語」で問題について考えて、客観的かつ理性的に決断を下してみてはいかがでしょうか。