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長男?末っ子?生まれ順と性格の因果関係は否定された

兄弟の性格

生年月日や血液型による性格診断に異論はあったとしても、長男長女や末っ子など、家族におけるポジションによって性格に違いがあるという話は、それほど違和感なく受け入れられるのではないでしょうか。ところが、生まれ順と性格の関係についても「科学的根拠がない」とする研究結果が発表されています。




生まれ順と性格の関係

独ライプツィヒ大学の研究グループは、米国人5240人、英国人4489人、ドイツ人1万456人の性格と知能に関するデータを用いた大規模な分析を実施しました。

その結果、生まれた順番と成人したときの「五大性格特性」の間には、特定のパターンは認められなかったそうです。

五大性格特性とは、「外向性」「情緒的安定性」「協調性」「勤勉性」「経験への開放性」についてです。

経験的にも、そして理屈の上でも、兄弟姉妹におけるポジションが性格に与える影響は少なからずあると思っていましたが、実に意外な結果です。長男だからリーダーシップがあるとか責任感があるとか、あるいは末っ子だから自分勝手だとか自由な発想ができるとか、そういった話はすべて意味のないことになってしまいました。

一番目の子は知能が高い?

研究グループは、生まれ順と知能との関係についても分析しています。その結果、長男長女はわずかに知能検査のスコアが高くなる傾向があることがわかったという。この結果について、研究グループが見解を述べています。

まず、第一子の場合はそれ以降の子どもと比べて両親から「手をかけて育てられる」傾向があるという。つまり、はじめの子どもであるために教育にも熱が入り、下の子どもたちより知能が高くなる傾向があるそうです。

次に、第一子は弟や妹に勉強を教える機会があるため、「自分の知識を呼び起こし、組み立て、説明する方法を考える」ことが知能を高める可能性があるとしています。

確かにこれらの機会が与えられるため、「上の子」の方が知能が高くなる傾向があったとしても不思議ではないかも知れません。とはいえ個人の資質や努力、さまざまな環境によっていくらでも能力は左右されるものですから、生まれ順などあまり気にしても仕方のないことかも知れません。

(via HEALTHPRESS