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自尊心はどの年代が一番高いのか

みなさん自尊心は高いほうですか?それとも低いほうですか?一般的に自尊心の高さは年齢とともに変化していくそうです。




自尊心は生まれてから死ぬまで生涯を通して一定なわけではなく、年齢とともに変化していきます。

自尊心の変化については主にアメリカで研究が行われており、一般的には子供のころに高く、そこから青年期に向けて低下していくそうです。ところが大人になるにしたがって再び上昇、ところが50代あたりをピークに再び低下していくとのこと。

このような自尊心の変化は日本人についても同様なのでしょうか。東京理科大学と京都大の研究グループが大規模な調査を実施しています。

自尊心とはいっても実は2つに分けられます。ひとつは「自己好意」と呼ばれており、自分自身を受け入れられるという感情的判断。もうひとつは「自己有能感」で、自分自身が有能であると認められる感覚のことです。

これまでの日本人を対象とした調査では、自己好意が小学生で高くて中学、高校になると低下すること、そしてその後は60代まで年齢とともに高くなることがわかっています。これはアメリカでの調査と同様の結果と言えそうです。

では自己有能感についてはどうでしょうか。また、60代以降の高齢者についてはどうなのでしょうか。アメリカでは60代以降は再び低下すると言われています。

研究では、70代や80代を含む大規模なサンプルを対象として自尊心の2つの側面についての6つの調査を分析しました。対象年齢は16歳から88歳までで、男性2996名、女性3117名からの回答に基づいています。

その結果がこのグラフになります。

日本における自尊心得点の予測値(東京理科大学)

分析の結果、自尊心はやはり青年で低いことがわかりました。そして、成人から高齢者まで次第に高くなることがわかります。

アメリカでの研究では60代以降に再び低下する結果が明らかになっていましたが、日本人を対象とした調査では60代以降も低下せずに高くなっていくことがわかりました。

青年期から高齢者まで次第に高くなる傾向については性別による差はなく、自己好意、自己有能感ともに同じ傾向があったそうです。

中年期以降の傾向がアメリカと違う理由についてははっきりとは言えませんが、もしかすると世代に特有のものかも知れません。

つまり調査は現時点での年齢層による傾向であり、同じ世代の人の年齢についての変化を調査しているわけではありません。

もしかすると、現時点での日本の高齢者の世代について自尊心が高い特別な理由、あるいはアメリカの高齢者の世代について自尊心が低い特別な理由があるのかも知れませんね。