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3D映画やドローンの映像など「映像酔い」の仕組みの一端を解明

 3D映画などをみたときに気分が悪くなる「映像酔い」の仕組みの一端について、京都大やキヤノンなどの研究グループが26日付のドイツ脳科学誌で発表した。左脳と右脳で活動リズムがずれるという。

 映像酔いは、3D映画のほか小型無人飛行機(ドローン)で撮影した揺れる映像などでも起こりやすく、吐き気やめまいなど乗り物酔いと似た症状が出る。

 研究グループは、カメラを激しく動かして撮影した室内の映像を作製し、20~40代の14人に見せて脳の活動を機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で調べた。

 その結果、映像酔いの症状が出た8人では、後頭部にあって物の動きを検出する「MT野」の活動リズムが、左脳と右脳で大きくずれることがわかった。一方、視覚に関わるほかの部位や、酔わなかった人の脳ではこのような変化は起こらなかった。映像酔いが起きやすい動画に、左右の脳活動を同調させるような補正動画を上乗せして酔いを妨げる可能性があるという。

 京都大の山本洋紀助教は「活動リズムのずれと不快感がどう関係しているのか、さらに研究を進めたい」としている。

参考:朝日新聞/京都新聞