自分の体形を実際より太っていると感じ、極端な食事制限で著しく痩せる「神経性やせ症(拒食症)」の患者では、他人の顔を過剰に意識する脳の働きをしていることを、獨協医科大などの研究チームが明らかにした。
拒食症は15~19歳の女性に多く、女性の0.9%が患っているとされている。完治する患者は半数以下で、自殺や栄養障害による死亡率は1割程度といわれている。
拒食症の患者は自分の体形を実際よりも太っていると感じる認知異常があることから、体や顔のイメージを認知する脳の部位「紡錘状回」の血流量を調べた。
10~15歳の女性患者15人と、10~14歳の健常者15人に、自分の顔と他人の顔の写真を見せた。
健常者の場合は自分の顔を見たときだけ紡錘状回の血流量が増加したが、患者では他人の顔を見たときも自分の顔と同様に血流量が増加した。
研究チームは「健常者は自分の顔を他人よりも意識するが、患者は自分と他人をきちんと区別できず、他人の顔も過剰に意識している可能性がある」としている。
(via 毎日新聞)