持久力が高い高齢者は認知機能が高い

2015年11月4日　バイオニュース／脳科学，ニュース，

持久力と認知機能

　身体の持久力が高い高齢者の男性は認知機能が高いと、筑波大の征矢英昭教授などの研究チームが科学誌「NeuroImage」で発表した。持久力を高めて認知機能の向上につなげる可能性がある。

　高齢者の認知機能低下や認知症患者の増加は社会的問題となっている。一方、心血管機能を高めるような習慣的な有酸素運動が認知機能の維持や増進に有効であるとの報告がある。

　研究グループは、目的のために思考や行動を制御する能力「実行機能」に着目して、６０名の健常な男性高齢者を対象とした実行機能測定を行った。

　その結果、持久力の高い高齢者は実行機能が高いこと、また前頭前野外拝側部の脳活動が左優位であること、つまり課題の遂行時に若者型の脳活動をしていることがわかった。

　今後は、運動トレーニングによって持久力を高めることで認知機能の向上につながるかを調べるとしている。