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通路を進む人が予測する「先の光景」を脳活動から推測

 通路を進む人がその先にあると予測した光景を、脳の活動から推測することに成功したと、京都大の石井信教授らの研究グループが発表した。車の運転手の意図を読み取ることでナビゲーションシステムなどへの応用が期待できるという。

 20代の男女8人に通路を進むコンピューターゲームを行ってもらい、脳の活動を機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で計測した。

 被験者は通路全体の地図をゲーム開始前に記憶してもらい、壁に囲まれたコースをすごろく式に一マスずつ進むゲームを実施した。

 各マスでは立体的な光景が画面に表示され、特定のマス目では次のマス目に進むと表示されるはずの光景を予測する2択のクイズに回答した。

 ゲーム中の被験者の脳の状態について6領域の活動をコンピューターで解析して、被験者のクイズへの回答を推測した。

 その結果、前頭葉内側部と頭頂葉の一部の活動状態から有意な確率で被験者の回答を推測できたという。また、脳活動から推測しやすい被験者ほどクイズへの正解率が高いこともわかった。

 石井教授は「脳内の世界の一端を解読できた。将来的に運転手の意図を読み取る車の開発などにつなげていきたい」としている。

(via 京都新聞