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「歩きスマホ」左脳はスマホ操作、右脳は歩行を処理している

 歩きスマホの際、左右の脳はスマホ操作と歩行に別々に関与していると、東北大の竹内直行講師らの研究グループが科学誌「BMC Neuroscience」で発表した。歩きスマホ中の転倒予防や、新たな高齢者のリハビリテーション訓練への応用につながるという。

 近年、歩きスマホ中の事故が社会的な問題となっているが、歩きスマホと脳活動の関係性や脳活動が動作に与える影響はわかっていなかった。

 研究グループは、微弱な光で脳活動を評価する「光トポグラフィ装置」を使って歩きスマホ中の脳活動を調べた。

 スマホ操作には数字を順番に押すタッチゲームを使用して、若い健康な人と高齢な健康な人を対象として実験を行った。

 その結果、若い人では左の前頭部が活性化する人ほどスマホ操作を上手に行うことができ、右の前頭部が活性化する人ほど安全な歩行を選択する傾向があった。

 一方、高齢者は歩きスマホ中に前頭部が活性化しても、スマホ操作を上手に行えず、安全な歩行にもつながらないことがわかった。

(via 東北大学