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体内時計を調節する新たなタンパク質「Gpr176」を発見、睡眠薬の開発に期待

 体内時計を調節する新たなタンパク質を発見したと、京都大の岡村均教授らの研究グループが英科学誌「Nature Communications」で発表した。安全な新しいタイプの睡眠薬の開発につながると期待される。

 体内時計は、脳の「視交叉上核(SCN)」が中枢の役割を担う。研究グループは、SCNのみに存在する膜タンパク質を網羅的に探索したところ、タンパク質「Gpr176」を発見した。

 Gpr176が働かないマウスでは時計遺伝子の働きのリズムが乱れたことから、体内時計の調律機能をもつことがわかった。

 また、Gpr176を活性化させると体内の状態が「夜型」になることから、Gpr176を標的とした睡眠薬の開発につながる。

 従来の睡眠薬では脳全体の活動を低下させるものが多いが、Gpr176を標的とすると体内時計の調節のみに特化した安全な睡眠薬が期待できるという。

(via 京都新聞