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心拍数から「てんかん発作」を高精度で予知 ウェアラブルデバイスの開発が進行中

 脳の病気である「てんかん」の発作を、脳波ではなく心電図から算出した「心拍変動」を指標として高精度で予知することに成功したと、熊本大や京都大などの研究チームが科学誌「IEEE Transactions on Biomedical Engineering」で発表した。

 てんかんは、脳の神経細胞に激しい電気的な興奮が突然発生する疾患で、発作を繰り返す特徴がある。

 患者の多くは抗てんかん薬を服用して問題なく日常生活を送っているが、中には薬の効きにくい難治性てんかんもあり、発作を予知する仕組みの開発が求められていた。

 研究チームは、多変量統計的プロセス管理の呼ばれる工学的手法で、てんかん患者の心拍数の揺らぎを解析した。

 その結果、91%という高い精度で発作を予知することが可能であることがわかった。また、発作が起こる約8分前に予知できることもわかった。

 日常的に身につけられる発作予知デバイスを開発することで、発作が起こる前に安全を確保する対策をとることが可能になり、すでに臨床研究が進められている。

参考:熊本大学