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iPS細胞のみに毒性をもつペプチドの合成に成功

iPS細胞に対してのみ毒性をもつペプチドの合成に京都大の研究グループが成功しました。再生医療の際に未分化のiPS細胞を除去することで安全性を高められると期待されます。

iPS細胞を特定の細胞に分化させて移植する際に、未分化のままのiPS細胞が残っていると移植後に腫瘍が形成される可能性があります。

そのため、再生医療にiPS細胞を利用する場合は分化させた細胞集団に混じっている未分化のiPS細胞を取り除くことが課題となっています。

研究グループは、iPS細胞の表面に発現するアルカリフォスタファーゼ(ALP)と結合すると構造が変化して細胞を破壊するペプチド「D-3」を合成しました。

D-3を培地に添加したところ、従来の方法と比べて効率的にiPS細胞を除去できることが確認されて、さらに移植後に腫瘍が形成される確率を低くできることもわかりました。

今回開発した技術を用いることで、iPS細胞を使った再生医療の安全性を高められると期待されます。

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