尿酸値が正常な範囲内であっても腎臓の血流や機能低下など悪影響が生じる可能性があると、大阪市立大の研究グループが発表しました。
日本には、高尿酸血症の患者が約500万人いるとされています。高尿酸血症は、通風を引き起こすほか高血圧症や糖尿病、動脈硬化症などの生活習慣病や腎機能の障害と関係すると近年報告されています。
研究グループは、腎臓の機能と血流量を正確に測定する方法および微細血管抵抗計算式を用いて、尿酸と腎臓の微細動脈血管抵抗値との関連を調べました。
その結果、尿酸が正常値の範囲内にあっても、軽度の高値または軽度の低値にあれば腎臓の微細動脈の血管抵抗値を上昇させ、腎機能の低下と関連することがわかりました。
また、尿酸値が正常値より低い場合であっても、腎機能や腎血流が低下するため、低ければよいというわけではないこともわかりました。
これまでに想定されていた範囲内(2.0mg/dL~7.0mg/dL)ではなく、より狭い範囲内に尿酸値を保つことが、腎臓を保護するうえで重要であることが明らかになりました。