原子の空間配置を示す座標ファイル

タンパク質や核酸など、生体分子の立体構造をディスプレイ上に表示させて動かしたり、あるいは学会、論文などで発表するために立体構造図を作成するためには、分子を構成する原子の空間配置を示す三次元の「座標ファイル」が必要です。そしてこの「座標ファイル」は、一般的には「PDBファイル」というフォーマットのファイルが利用されています。

Protein Data Bankから入手することができる

生体分子の立体構造は、X線結晶構造解析法、核磁気共鳴(NMR)法、あるいは電子顕微鏡などで決定されます。決定された立体構造の座標情報はPDBファイルにまとめられ、Protein Data Bankに登録されます。現在では、決定された立体構図に関する論文を雑誌に投稿する場合はProtein Data Bankに登録していることが必須となっていることが多いため、論文で発表されている構造の座標ファイルは、ほぼProtein Data Bankで入手することができると考えてよいでしょう。protein Data Bankからの座標ファイルのダウンロードはすべて無料です。

立体構造を表示するには分子表示ソフトが必要

PDBファイルは各原子の三次元座標を示すファイルにすぎません。したがって立体構造を表示するためにはPDBファイルを読み込み、三次元座標から三次元構造へと変換してディスプレイ上に描画することができる分子表示ソフトを使用する必要があります。また、単に各原子の位置を示すだけではそのタンパク質などの構造を理解することができませんので、目的に応じて主鎖構造のみを表示したり、タンパク質の二次構造を理解することができるリボン図などを表示する機能をもっている必要があります。PDBファイルを読むことができる分子表示ソフトとしては、「Rasmol」が有名です。