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バイオニュース
アユやアマゴ約1千匹が大量死。静岡県・藁科川

 5日午前10時半ごろ、静岡市葵区湯ノ島の藁科川で、釣り人が魚が大量に死んでいるのを発見し、安倍藁科川漁協に通報した。市環境保全課が調べたところ、付近で15〜20センチほどのアユやアマゴ約1千匹が死んでいた。

 市が同日行った簡易水質検査では、異常は見つからなかった。同漁協は県水産技術研究所に検査を依頼し、死因などを調べる方針。
 出典 アットエス

O157感染で女性が死亡。高崎の老人ホームで

 高崎市保健所は4日、市内の有料老人ホームに入所していた同市の90代女性が腸管出血性大腸菌O157に感染し、3日に亡くなったと発表した。同ホームでは女性のほか、入所者2人も感染したが、現在は快方に向かっている。保健所が感染経路などを調べている。県内でO157の感染患者が死亡したのは2011年以来。7月1日から28日まで、県内で31人が腸管出血性大腸菌に感染している。

 保健所によると、死亡した女性は7月23日に発熱や下痢、血便などの症状がみられ、医師が毎日診察していた。3日に容体が悪化、急性腎不全で亡くなった。

 同ホームで、女性のほかに入所者2人に同じような症状が出て、この医師らが30日、保健所に届け出た。

 県によると、県内でことしに入って腸管出血性大腸菌の感染が確認されたのは45人(7月28日現在)。O157に感染し、県内では2011年8月に前橋市内の80代女性が亡くなっている。
 出典 上毛新聞

イルカセラピーの癒し効果を調査。和歌山大

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 和歌山県田辺市扇ケ浜海水浴場のイルカと触れ合えるイベント会場で、和歌山大学が26日、イルカの癒やし効果の調査を始めた。イルカと触れ合った前後でストレス度の変化を調べる。27日まで。

 イルカセラピーは、人への癒やし効果があるとされる犬や馬などを用いた動物介在療法の一種。米国で研究が始まり、国内の水族館でも実施している。自閉症の発達支援に効果があるとされるが、科学的に不明な点も多いという。

 調査は精神科医でひきこもりや不登校問題に詳しい、和歌山大学保健管理センターの山本朗准教授(40)が行っている。

 ストレス度は唾液に含まれるアミラーゼの数値で判定。精神的なストレスで交感神経が興奮すると上昇する。イルカに触れ合う前後で測定し、変化を調べる。

 昨年の調査ではイルカと触れ合った後に、ストレスが減少する傾向があった。今回はサンプル数を増やし、統計的に差が現れるかを確認する。

 さらに、日常のストレス度や海への愛着度、イルカに触れた感想などを聞くアンケートも同時に実施し、ストレス変動の要因も探る。

 奈良県香芝市から家族4人で訪れた主婦、田内直美さん(37)は「イルカに触ったのは初めて。ゴムみたいな感触だった。思ったより大きかったけど、かわいい」と笑顔。ストレス度は低く、前後で大きな違いはなかったが、「触れ合うと癒やされた気がする」と話した。

 山本准教授は「イルカセラピーの生理学的な調査は珍しい。今回で触れ合い体験の効果がある程度分かるはず。日常のストレスチェックにも利用してもらえれば」と協力を呼び掛けている。

 イベントの実行委員会メンバーの田上雅人さん(42)は「よい結果が出ることを期待したい。将来はセラピー事業もできれば」と話している。

 出典 紀伊民報

広島空港敷地内で毒グモ30匹が発見される。

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 広島県は23日、三原市本郷町の広島空港敷地内で、特定外来生物で雌に毒があるセアカゴケグモ20~30匹を発見し、駆除したと発表した。巣もあったという。

 県自然環境課によると、同日午前11時半ごろ、一般利用者が入れない制限区域内の電源局舎付近で、国土交通省広島空港事務所の職員が散水ボックスの中で雌1匹を見つけた。連絡を受けた県と市の職員が周辺の約50メートル四方を確認。側溝や管理棟の出入り口付近などで雌を含む20~30匹を見つけ駆除したという。

 県内での確認は大竹市と広島市東区に次いで3例目。

 セアカゴケグモはオーストラリア原産。体長1センチほどで黒い体に赤い模様のある雌が毒を持つ。かまれると痛みを感じ、腫れる。子どもや高齢者は発熱や吐き気が出ることもある。

 出典 中國新聞

脳内の神経信号の視覚化に成功

 東京大学先端科学技術研究センターの高橋宏知講師らは、2 mm角に1万個以上の計測点を有する微小電極アレイ上に神経細胞を分散培養した試料を用いて、活動電位が神経細胞内を複雑な形状の軸索に沿って伝播する様子を可視化することに成功した。

 私たちの脳には約1000億個もの神経細胞があり、複雑な神経回路網が形成されている。神経細胞は細胞体と軸索から構成されており、神経回路網内の神経信号(活動電位)は縦横無尽に張り巡らされた軸索に沿って伝播する。しかし軸索は直径1μm以下と非常に細いうえに、複雑に曲がりくねっているため、そこを高速で伝播する活動電位の可視化は技術的に困難であった。

 実験データから、活動電位の伝播速度は一定ではなく部位ごとに大きく異なることを明らかになった。また軸索の同じ部位でも、日によって活動電位の伝播速度が変化することがわかった。

 軸索は単なるケーブルではなく、それ自体が活動電位の伝搬を調整する能動素子であることを示唆しており、脳の新たな情報処理メカニズムの解明につながる可能性や軸索が創薬の新たな標的になる可能性を示すものです。

 出典 東京大学

サンゴ共生カッチュウソウのゲノム解読に成功

 沖縄科学技術大学院大学の將口栄一研究グループリーダーらは、サンゴに共生するカッチュウソウ(褐虫藻)のゲノム解読に世界で初めて成功した。

 同研究グループはすでに2011年に世界に先駆けてサンゴのゲノム解読に成功しており、これで宿主(サンゴ)と共生者(カッチュウソウ)の両方のゲノム情報が得られたことになる。

 これらの情報を駆使して、サンゴとカッチュウソウの共生関係の研究が飛躍的に進むことが期待される。

 出典 OIST

メモリーB細胞が再度の感染に素早く反応する仕組みを解明。効果的なワクチン開発へ期待

 理化学研究所と大阪大学は、免疫記憶をつかさどっている主要な免疫細胞であるメモリーB細胞が再度の感染に素早く反応するのは、転写因子「Bach2」の発現量低下が要因であることを、マウスを使った実験で明らかにした。

 研究グループは、細胞内における転写因子Bach2の発現量低下が、メモリーB細胞から抗体産生細胞への分化を促すために決定的な働きをすることを突き止めた。

 メモリーB細胞の不足は、感染防御に対する能力を低下させる。逆に、過剰な活性化はアレルギーや自己免疫疾患を引き起こしたりする。今後、転写因子Bach2を標的とした効果的なワクチンを開発することにより、メモリーB細胞の抗体産生能力を人為的に制御できることが期待される。

 出典 理化学研究所

免疫反応を抑制するT細胞を誘導する腸内細菌の同定に成功。アレルギーなどの治療に期待

 東京大学大学オーミクス情報センターの服部正平教授らの研究グループは、免疫反応を抑制する働きのある制御性T細胞(Treg細胞)を誘導するヒトの腸内細菌の同定に世界で初めて成功した。

 今回同定されたヒト腸内細菌は17種類のクロストリジウム属菌からなり、健康なヒトの糞便から分離された。さらに個々の菌を分離して個別に培養することにも成功。

 培養した17菌種の混合物をマウスに投与すると、大腸のTreg細胞の数が増加して腸炎や下痢が有意に抑制された。また17菌種の多くが、健常者群に比べて炎症性腸疾患患者群の糞便で有意に減少していた。

 今回の成果は、アレルギーや炎症性腸疾患などの過剰な免疫反応が原因となっている病気の治療や予防への応用が期待される。

 出典 東京大学

急性骨髄性白血病の発症に関与する遺伝子を特定 「PLZF遺伝子」

 血液のがんである急性骨髄性白血病が、血液の細胞内で特定の遺伝子の働きが活発化することで発症する仕組みを、三重大大学院医学系研究科の野阪哲哉教授(52)、小埜良一講師(42)らの研究グループが解明した。米国血液学会の専門誌電子版に発表した。

 研究グループは、全ての血液細胞のもとになり、赤血球や血小板などに変化する「造血幹細胞」に着目。白血病になったマウスを使い、この細胞中の「PLZF遺伝子」の働きを2~3割程度に抑えると、生存期間が6~8日延びた。一般的にがんは複数の遺伝子の異常が重なって発症するため、一つの遺伝子の働きを抑制するだけで生存期間が延びるのは「驚くべき現象」(研究グループ)という。グループは「急性骨髄性白血病は造血幹細胞でのPLZF遺伝子の活動が関与している」と結論付けた。

 分子遺伝学が専門の野阪教授らは「今後は患者の細胞を使った研究を進め、新たな治療法の開発と治療後の再発の予測につなげたい」と話している。

 急性骨髄性白血病は、国内で年間に3千~4千人が発症するとされている。急速にがん細胞化した白血球が異常に増えることで、正常に血を作れなくなる。

 出典 中日新聞

大腸がん、高確率で判別 新手法の血液検査 三重大など

 三重大(津市)は三日、同大大学院医学系研究科の問山裕二助教らの研究グループが、血液検査により大腸がん患者を高い確率で判別できることを発見したと発表した。米国の病院との共同研究で、先月十九日、米医学誌に論文が掲載された。

 大腸がんの検診方法としては、便に血が混じっているかどうかを調べる便潜血検査や血液を調べる腫瘍マーカーの検査が使われている。だが、いずれの方法も大腸がんかどうかを正確に診断するのは難しく、検査の信頼度について課題があったという。

 研究グループは、大腸がんや大腸ポリープの組織から、「マイクロRNA―21」と呼ばれる微小のRNA(リボ核酸)が血液中に分泌されていることを発見。

 日本人二百八十二人の血液中の血清を調べたところ、「マイクロRNA―21」が健康な人と比べて、大腸ポリープ患者は約二倍、大腸がん患者は約五倍になった。この血液検査で、大腸ポリープ患者を82%の確率で、大腸がん患者を92%の確率で診断できたという。

 問山助教は「極めて高い確率で診断できる上、簡単で短時間の測定が可能。大腸がん検診に優れている」と述べ、実用化に期待を示した。

 出典 伊勢新聞

大腸がん、血液検査で早期特定 三重大など発見

 血液検査により、がん化する前の大腸ポリープや大腸がんの患者を高い確率で特定する方法を、三重大大学院消化管・小児外科学講座の問山裕二助教(43)らの研究グループが見つけた。米国の病院との共同研究で、米医学誌の電子版に発表した。症状の初期の段階から患者を発見することができ、生存率向上につながることが期待される。

 一般的に大腸がんは、健康診断などで便に血が混じっているかどうかから調べることが多い。血が混じるのはさまざまな理由があるため、正確さが課題となっていた。従来の血液による腫瘍マーカー検査は、進行がんの転移や再発を診るには有効だが、がんかどうかを診断するには不向きで、大腸ポリープを判別することもできないという。

 問山助教は米病院に留学中、大腸がん組織から「マイクロRNA-21」と呼ばれるごく小さなRNA(リボ核酸)が血液中に分泌されていることを発見。三重大病院の患者ら日本人約300人分の血液を調べた結果、大腸ポリープ患者と大腸がん患者の血液中の血清には、健康な人の3~6倍のRNAが含まれることを確認した。

 解析したところ、82%以上の確率で大腸ポリープ患者を、92%以上の確率で大腸がん患者を判別できた。

 問山助教らは「留学先の米病院で近く治験が始まる見通しで、2~3年後の実用化を期待している」と話している。

 出典 中日新聞

森林浴、病気への効果は? 9月に赤沢自然休養林で検証

 県立木曽病院(木曽郡木曽町)が9月、森林浴に大勢の人が訪れる木曽郡上松町の赤沢自然休養林で、森林浴が病気にどれだけ効果があるのか、初の検証実験をする。被験者を募り、まずは高血圧にどれだけ効果があるかを検証。結果は論文にまとめて発表する計画だ。

 同病院は休養林が林野庁などから「森林セラピー基地」として認定された2006年以降、医師が定期的に休養林に出向いて健康相談を実施している。森林浴の効果についても調べ、ストレスで増えるとされる唾液中のアミラーゼの値が、森林を散策後は下がる傾向が見られた。久米田茂喜名誉院長は「病気に効果があるという検証結果が出れば、森林浴を予防に役立てることができる」と説明。新たに検証実験をすることになった。

 実験は久米田名誉院長と、国際自然・森林医学会の今井通子会長らが実施。薬を服用しておらず、上の血圧が常に130以上か、下の血圧が常に85以上の40~74歳の男性40人を被験者として募る。9月6~7日か、同14~16日のどちらかのコースに参加し、休養林や伊那市街地を散策。血圧測定や採血などの検査をして効果を調べる。

 結果を踏まえて糖尿病など、生活習慣病への効果を調べることも検討している。被験者は7月26日まで、同病院経営企画課(電話0264・22・2703)で募っている。

 出典 信毎web

注射代わり、貼るシート/メドレックスが共同開発

 医薬品開発のメドレックス(香川県東かがわ市)は、帝人と共同で、微細な針が剣山のように並んだ貼り薬用のシートを開発した。皮膚に貼るだけで注射器のような役割を果たし、痛みを感じることなく、薬を投与できるという。臨床実験を経て、2020年の製品化を目指す。

 微細な針は、太さ0・02~0・03ミリ、長さ1ミリ以下で、「太さは蚊の針よりも細い」(メドレックス)という。突起部分に薬やワクチンを塗って使用し、短い場合では数十分で体内に薬剤を浸透させる。針の細さなどから神経を刺激しにくく、痛みを伴わないため、注射が苦手な子どもの予防接種への活用などが期待できる。

 針の素材には、刺さった針が折れても体内で自然に分解されるよう生分解性のポリエステルを採用。これまでは金属製が中心で、金属アレルギーのほか、折れて体内に残った場合の影響が懸念されていた。生分解性の素材にすることで人体への影響はないとされ、金属製に比べて製造コストも安いという。

 帝人は、針にあらかじめ薬を塗った状態で売り出す計画で、病院で薬剤を塗る手間が省けるなどのメリットがある。事業化されれば、帝人が生産などを担当。メドレックスは技術ライセンス料を受け取る予定。

 メドレックスは「痛みを伴わずに注射の役割を果たせる画期的な方法。早期の製品化を目指したい」としている。

 出典 SHIKOKU NEWS

自閉症は似たタイプに共感 福井大など共同研究

 他人の気持ちを理解することが難しいとされる発達障害「高機能自閉症スペクトラム障害」(高機能ASD)の人は、自分と似たタイプには共感しやすいことを、京都大、福井大などの研究チームが確認した。ASDの特性やメカニズムの解明に大きく前進する成果だとして、英科学誌の電子版に発表した。

 ASDでない人を対象にした近年の研究で、自分と似た性格の主人公の物語は理解しやすく、より共感できることが明らかになっている。

 研究チームはASDでも同様の可能性があると考え、ASDとそうでない被験者各約20人を対象に実験した。ASDが登場する物語と登場しない物語を読んでもらい、読後に示した文章が物語に出てきたかどうかを尋ねて理解度を調べた。

 ASDの人はASDが登場する物語を理解しやすく、質問に早く答えられた。さらに内容と結末に一貫性のある物語の方がより理解できた。ASDの人は、自分と似た傾向の人には共感できる可能性を示しており、物語を記憶する際に、文脈を一貫性のある形で覚える傾向がうかがえるという。

 ASDに対する適切な支援者配置や療育、教育プログラムの開発につながる成果で、研究チームに参加した福井大子どものこころの発達研究センターの小坂浩隆特命准教授は「ASDは他者に対する理解や記憶が劣っているのではなく、その仕組みが異なっているだけ」と指摘する。

 その上で「ASDは他者への共感が乏しいといわれるが、自分と似ていない人に共感するのが難しいだけかもしれない」と話す。今後は子どもを対象に研究を進めるとともに、ASDの人同士が共感できるかをさらに検討する。

 また、福井大医学部附属病院では、ASDの治療で脳内ホルモン「オキシトシン」を投与する臨床研究を行っている。小坂特命准教授は「投与の効果が確認できた人は多い。さらに研究を進め、近い将来に薬剤としての認可を目指したい」とし、ASDの人の協力を呼び掛けている。

 出典[福井新聞]

「環境都市」へ視界良好 バイオマス発電に国支援 東松島

 再生可能エネルギーのバイオマス燃料による発電事業などを展開する地域に国が支援する「バイオマス産業都市」に、東北で唯一選ばれた宮城県東松島市が、間伐材を生かす木質バイオマス発電などを計画している。東日本大震災からの復興で環境未来都市構想を進める市は、実現に大きな弾みがつくと期待している。

 バイオマス産業都市は、木、食品廃棄物といった地域資源を活用する産業を創出し、環境負荷が小さく災害に強いまちづくりを図る。農水省などによると、指定地域で民間企業などが関連施設を整備する場合、国が半額を補助することなどを検討している。

 東松島市は、市内で発生した間伐材や稲わらなどを利用する木質バイオマス発電と、食品工場の廃棄物や家庭の生ごみを活用するメタンガス発電などを計画している。10年後には、2タイプの発電事業や関連する体験型の観光事業で年間26億円規模の産業を創造し、約140人の雇用を見込む。生ごみの6割を再利用し、二酸化炭素(CO2)排出量は年間約4万1000トンが削減されると試算する。

 防災集団移転促進事業で市が買い取る約213ヘクタールの被災跡地を、木質バイオマス発電に使う燃料生産に活用することも想定する。地域内でエネルギーを生み出し、非常時は公共施設などに電力を供給し、災害に強い「防災自立都市」も目指す。

 市は昨年12月に認定された環境交流特区と組み合わせ、バイオマス関連企業の集積を図る。事業推進に当たっては、産官学民の連携組織「東松島みらいとし機構」が進出企業に協力する体制を整える。
 市は「バイオマス産業都市の指定を足掛かりに、環境未来都市の実現に向けた復興を加速させたい」と話している。

 出典[河北新聞]