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アメリカのひき肉をDNA分析、2割でラベルと違う肉が混入 偽装か汚染か?

アメリカのひき肉に別の肉が混入

 肉を細かく刻んで加工された「ひき肉」は、色の違いこそあれ形からは何の肉か判断がつきにくいです。もしもラベルと違う肉が使われていたら…。アメリカの研究者が米国内で流通しているひき肉について調べています。DNA解析を使って調べた結果がとんでもないことに。




 米カリフォルニア州のチャップマン大学の研究者らは、アメリカ全土から48種類のひき肉のサンプルを分析しました。

 調査には、DNAバーコーディングとPCR反応を使用して、各サンプルがどの動物由来の肉かを特定してラベルと比較しました。

 分析した結果、なんと48サンプルのうち10サンプルはラベルと異なることが判明しました。9サンプルについてはラベルの肉の中に他の動物の肉が混入しているものでしたが、1サンプルについては全く異なるものだったという。牛肉のサンプルはすべて牛の肉でしたが、七面鳥のひき肉がひどかったという。

 混入した原因については、加工工場の清掃が雑であるために他の肉に汚染された可能性もありますが、意図的に安い肉を混入させた可能性もあります。

日本国内の偽装問題

 日本国内では2007年、北海道苫小牧市の食品加工卸会社が牛肉100パーセントのひき肉に豚肉などを混入させて販売していたいわゆる「偽装牛ミンチ事件」が社会問題にまで発展しました。

 その後、農林水産省は牛肉と表示された商品110点のDNA分析を実施する緊急調査を行っています。分析結果は、24商品で豚や鶏など牛以外の肉の陽性反応が出たというものでした。

 ただし、工場の立ち入り検査をした結果、23商品については加工機械の洗浄不足などが原因、残る1商品については不明だが故意に混入させた可能性は低い、としました。

 同省は、食品関連の69団体に表示と中身との食い違いが生じないよう管理や洗浄を徹底するよう文書で指導し、混入が避けられない場合は「○○を使用した設備で製造した」と表示するよう求めました。

 いわゆる「かたまり肉」と違って、ひき肉の場合は見た目では肉の種類が判断し難いです。国による定期的な抜き打ち検査などを実施する必要もあるのかも知れません。

(via www.gizmodo.jp