バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 3.19 Tue

どうしてアメリカ人はケーキを虹色に染めてしまうのか?

日本人が海外のお菓子を目にすると、そのド派手な色遣いに「ちょっと…」と感じることがよくあります。特にアメリカのお菓子は、原色をめいっぱい使ったカラフルなものが多いのが特徴です。いったい、どうしてなのでしょうか?




世界的に有名な写真共有サイト「flickr」でためしに「rainbow cake」と検索してみると、ちょっと信じがたい色彩豊かな画像を目にすることができます。

なぜ、食べ物をこれほどまでカラフルにしてしまうのか。

オックスフォード大学で心理学を研究するチャールズ・スペンス教授によると、人間は見飽きた食べ物に対しては魅力を感じにくくなる傾向があり、

色彩が豊かだと食欲が増進し、より多くの色があればあるほど食べ飽きるのを防いでくれる。

という効果があるそうです。

たしかに、日本にも食べ物を「目で楽しむ」という文化があり、お皿の盛りつけなどに工夫を凝らした「カフェめし」なども人気があります。

とはいえ、原色だったりショッキングピンクなどのド派手な色をした食べ物に食欲が増進するかというと、それは違うような気もしてしまいます。

色が食欲に与える効果についてはよく知られており、特に「青色」は食欲を減退させると言われています。天然の食材に青色が存在しないことも関係するかも知れません。

一方で、赤色や黄色などは食べ物を美味しそうに見せることができることから、飲食店などでも照明に赤や黄色を帯びた色を使ったり、あるいはランチョンマットにも暖色系を使うことが多いようです。

ただし、これもまた日本人特有の感覚なのかも知れません。

実際、「男性が青で女性が赤」という色感覚は日本独特のものだったり、日本人にとって「癒し」や「安全」といったイメージをもつ緑色は、欧米では「死」や「毒」などマイナスのイメージがあるそうです。

とはいえ、ケーキを虹色に染めてしまう感覚は、食べ物というイメージを超越しすぎているとしか思えないのですが。

画像:Patrizia